今年4月から、入院食からメニューを選べる「選択メニュー」に、医療保険からの「加算」がなくなった。廃止について、厚生労働省の意図を「選択メニューはそもそも医療ではなく、アメニティだから」と解説する人がいた。
厚生労働省は長いこと、「差額ベッドなどのアメニティには自由診療(自由な根付け)を認めるが、医療の本体サービス(治療そのもの)には原則として認めない」としてきた。医療の本体に自由な値付けを認めて差違を設ければ、極端な話、貧富の差によって受ける医療に差が出る。それでは、皆保険にならないからだ。
だから、「選択メニューはアメニティ」なら、診療報酬は加算されない。日本医師会は今回の改正で、長期療養ベッドの食費自己負担化について「医食同源という言葉もある。病院での食事は医療そのもの」と反対したが、結局、自己負担になった。
厚生労働省は食住費については、療養ベッドとの関係もあり、「家でも食事はするのだから」という意図だった。理屈を敷衍すると、長期入院でない食費もいずれ自費の可能性がある。「食事はアメニティ」というわけだ。理屈だと思うが、厳しい時代である。
医療制度では常識だが、一般常識ではおかしいと感じることは多い。それでも、患者はなかなか口に出せない。中には、知られていないだけで、制度上、整合性のあることもある。でも、ないこともある。なかなか指摘されないと、おかしなことはますます、そのままになってしまうのではないかと思う。
些細なことでも、一般常識でおかしなことは「おかしいね」と言って、少しずつでも、患者に理解される制度にした方がいい。やっぱり、患者が主役なのだから。そうしないと、患者はいつまでも話に入れないし、負担増も理解されないと思う。 (おわり)
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by aabh5794
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